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コラム
【建売住宅の間取り実例vol.25】縦長な土地の間取りをパターン別に紹介

今回の間取り実例は、縦長な土地に企画される建売住宅を5つのパターンで紹介します。
縦長な土地の建売住宅にはどのような特徴があるのか、またメリットやデメリットを知ることができて、間取り選びの参考になるでしょう。
建売住宅の購入では、できあがった間取りの中から物件を選ぶことになりますね。
ところが、間取りがご家族の理想に、どこまで近づいているかイメージできず、やっと見つかった物件なのに、購入に踏み出せないともったいないです。
このコラムでは、今までに販売された建売住宅の実例から、その間取りの良いところ、間取り図では気づきにくいポイント、使い勝手が良くなるアイデアなどを紹介します。
間取りの実例をたくさん見ることで、家族構成やこれから叶えたいライフスタイルに、ふさわしいと思える間取りがわかるようになります。
いろいろな建売住宅の実例を見て、ご家族に合う間取りをイメージしたい方や、間取りの使い勝手がよくなるアイデアを知りたい方は、ぜひご覧ください。
目次
縦長な土地の間取り実例を5つのパターン別に紹介

縦長な土地の建売住宅プランを5つのパターンで紹介していきます。
玄関の方向が「東・西・南・北」それぞれに向いたプランと、2階に4部屋の個室を確保したプランです。
今回のプランの横幅はすべて壁芯5.46mで、通称「3間プラン(1間は1.82m)」と呼ばれる建物を紹介していきます。
プランごとの特徴を比べてみてください。
東玄関プランの間取り実例

間取り実例の物件概要
・土地面積:140㎡台 ・建物面積:103.92㎡(1F:52.17㎡ 2F:51.75㎡) ・間取りタイプ:4LDK ・収納率;約7.1% ※壁芯計算 収納面積:約7.4㎡ ・方角 / 土地形状:南道路 / 整形地 |
間取り実例の特徴

LDKのポイント
対面キッチンとダイニングスペースに必要な横幅と、リビングに必要な横幅のバランスが上手なLDKです。
ダイニングとリビングの距離感にも余裕があるので、片側に3人が座れるほどのテーブルや大き目のソファを置いても窮屈さを感じないでしょう。
玄関ホールからの出入り口スペースが限られるので、実例のようにドアがキッチン近くにくることが多くなります。
水回りのポイント
浴室・洗面室ともに1坪タイプで、建売住宅ではよくあるサイズです。
階段下の空洞スペースを工夫して収納にしていますね。
高さのわりに奥行のある収納なので使い勝手は悪くなりますが、ワゴンタイプの収納アイテムを使うと整理整頓がしやすいですよ。
各個室のポイント
南側に配置される部屋の大きさとしては、実例のように7~8帖ほどの部屋が一つ、5~6帖ほどの部屋が一つの傾向にあります。
実例のような8.2帖の洋室であれば、主寝室としてだけでなく子どもさん二人で使う部屋としても十分な広さでしょう。
またカウンターが設置されている場所は、「ワークスペース」や「メイクスペース」としても使えそうですね。
収納のポイント
間取りが縦長なので、部屋と収納も縦に並ぶことが多くなります。
広めの収納スペースも取りやすいので、収納不足を感じる部屋のつくりは少なくなるでしょう。
実例では2階廊下にフリースペースが設けてありますが、ストレージルームにする間取りもあります。
西玄関プランの間取り実例

間取り実例の物件概要
・土地面積:130㎡台 ・建物面積:106.81㎡(1F:57.967㎡ 2F:48.85㎡) ・間取りタイプ:4LDK ・収納率;約7.7% ※壁芯計算 収納面積:約8.2㎡ ・方角 / 土地形状:南道路 / 整形地 |
間取り実例の特徴

東玄関にも言えることですが、玄関を建物の真ん中ほどに配置すると北側に水回りが集約でき、南側に陽当たりの期待できる居住スペースをつくることができます。
そして、縦長の間取りでは外側を向く部屋が多くできることから、複数の窓を設置することが容易で、風通しなども期待できるでしょう。
LDKのポイント
東玄関キッチンと同様に、対面キッチンに必要な幅を確保してから、南側のリビング・ダイニングスペースと畳スペースがお互いに狭すぎない位置に間仕切壁を設けています。
全体的にスリムなLDKですが、縦のスパンが長いので窮屈さを感じないでしょう。
階段下や、シューズボックスの背中側のデッドスペースに、収納を設けてある点も工夫を感じられるLDKです。
水回りのポイント
縦長の間取りでは水回りと階段のあいだに廊下を配置することが難しいので、洗面室へはLDK特にキッチンから出入りする間取りが多くなります。
間取り実例の特徴としては、洗面室専用の収納が設けられていることです。
約75cm幅の棚付きの収納が2つ配置されていますから、容量の多い部類の収納でしょう。
各個室のポイント
1階の和室は客間として、お客様に宿泊してもらっても良いスペースです。
2階は8.2帖と二つの6帖の洋室です。縦長の間取りでは大き目の部屋が一つ、普通サイズの部屋が二つとなるパターンが多くなりますね。
室内の南側のエリアと北側のエリアは間に収納などを介して離れた距離になることも多くなります。
音なども伝わりにくくなりますから、勉強に集中させてあげたい年頃の子どもさんの部屋としても最適でしょう。
収納のポイント
収納の大きさに差のある場所はありますが、適材適所に収納が配置されているよい間取りです。
空きスペースを工夫して収納にしてあることや、玄関と和室の間のスペースを分け合うことでそれぞれの収納を確保していることなど。
全ての空きスペースを見逃さず、収納にしている間取りです。
南玄関プランの間取り実例

間取り実例の物件概要
・土地面積:130㎡台 ・建物面積:105.15㎡(1F:57.13㎡ 2F48.02㎡) ・間取りタイプ:4LDK ・収納率;約8.6% ※壁芯計算 収納面積:約9.1㎡ ・方角 / 土地形状:南道路 / 整形地 |
間取り実例の特徴

南側に玄関が配置されることから、LDKと個室を並べてレイアウトすることができません。
そのため居室が縦並びになって、LDKまたは個室が南側に配置されることになります。
敷地の方角が南道路で縦長の土地ですから、両隣などに建物がある場合には、北側に配置される居室の陽当たりは、あまり期待できなくなるパターンでしょう。
LDKのポイント
LDKの陽当たりを優先させたレイアウト、長方形で使いやすくスペースに無駄の少ない形なのでよいLDKだと思います。
廊下からの出入り口は、室内の動線上のちょうどよい位置に設けられていて、キッチン・ダイニング・リビングそれぞれへの動線が短いです。
リビングには壁面が充分あるのでリビングボードなどを設置すると、テレビ置き場とリビング収納の両方をつくれるでしょう。
水回りのポイント
浴室・洗面室ともに一般的な1坪サイズですが、畳スペースが隣にきたことで、あいだのスペースを上手く振り分けて収納が確保されています。
ただし、キッチンから洗面室までの動線に距離がありますね。
キッチン付近から廊下に抜けられる場所があると洗面室までの距離が「グッ」と短くなるでしょう。
各個室のポイント
1階の畳スペースはあまり陽当たりには期待できませんが、セカンドリビングとして冬場はコタツをおいて、食事するのもよいのではないでしょうか。
ほかにも、生活リズムが違う方のための個室や、受験生のお子さんの一時的な勉強部屋としてはいかがでしょう。
2階は、ご夫婦と2人の子どもさんの4人家族で使うスペースとしては最適な大きさです。
収納のポイント
縦長の間取りですと、個室を南側と北側に寄せるのでその中間に空きスペースができて、大き目の収納を設けやすい点が挙げられます。
実例のようなウォークインクロゼットや、ストレージルームをつくりやすいのは縦長の間取りです。
6.5帖洋室の収納は階段の上にあることから、床が若干高くなっている点がマイナスポイントでしょう。
北玄関プランの間取り実例

間取り実例の物件概要
・土地面積:160㎡台 ・建物面積:101.85㎡(1F:51.34㎡ 2F:50.51㎡) ・間取りタイプ:4LDK ・収納率;約10.0% ※壁芯計算 収納面積:約10.2㎡ ・方角 / 土地形状:北道路 / 不整形地 |
間取り実例の特徴

LDKのポイント
玄関ホールから中に入ってくると丸見えなキッチンが少し気になりますが、北向きの玄関配置では実例のようなケースが多くなります。
それでも陽当たりをできるだけ確保したいのであれば、実例のようなLDKの形になるでしょう。
建物の南面にキッチン・ダイニングスペースを、玄関の隣りに畳スペースを配置する方法もあるのですが、2部屋の陽当たりを優先させたのでしょう。
水回りのポイント
水回りの動線に行き止まりがなく、2方向から行き来ができると家事が楽になりますが、縦長の間取りではその動線をつくることが難しいです。
間取り実例のように、キッチンの背中側に水回りへの出入り口ができることが多くなり、「ぐるり」と回れる動線がつくれません。
そして空きスペースがなくなりますから、収納場所の確保も難しいでしょう。
また、1坪を超える広さの洗面室をつくるのは難しくなります。
各個室のポイント
縦長間取り特有の、大きな個室が一部屋と普通サイズの個室が二部屋のパターンです。
階段の配置がよくないと、洋室5.3帖のように部屋と収納のサイズが小さくなる個室ができてしまうのも縦長間取りの特徴です。
1階の畳スペースは、4人家族でくつろぐには少し物足りない広さでしょうか。これも階段部分を工夫することで、広さを大きくできた部分です。
収納のポイント
2階北側洋室の収納は階段の上に配置されているので、60cmほど床が高くなっています。
また、洋室7.5帖のウォークインタイプのクロゼットは大きく見えますが、端からの出入りで奥に行くまでの通路が必要になるので、収納量はさほど多くなりません。
階段横の収納は小物の整理整頓用に、トイレ横の収納は季節ものの衣類などをまとめておくのにはよいサイズでしょう。
2階4部屋プランの間取り実例

間取り実例の物件概要
・土地面積:130㎡台 ・建物面積:106.82㎡(1F:52.17㎡ 2F:54.65㎡) ・間取りタイプ:4LDK+パントリー ・収納率;約13.9% ※壁芯計算 収納面積:約14.9㎡ ・方角 / 土地形状:南道路 / 整形地 |
間取り実例の特徴

LDKのポイント
リビングに収納があってよいのですが、実例のような場所だとソファやテレビを置くのに扉が邪魔だと感じるかもしれませんね。
収納扉の位置などの寸法をしっかり測って、リビング家具の配置を考える必要がありそうです。
ダイニングスペースは余裕の空間です。6人用のダイニングテーブル置いても狭さを感じないでしょう。
水回りのポイント
水回りも、居室と並行して縦に並んでしまうことが多いので、1坪の一般的なサイズを超える広さの洗面室や、専用の収納スペースを配置するのは難しいようです。
ただ、キッチンや階段との位置関係がよいので、バルコニーへ洗濯物を干しに行く動線や、通勤・通学まえの身支度をする動線はスムーズに感じるでしょう。
各個室のポイント
北側の部屋の間には引き戸を設けてあるので、生活スタイルの変化に合わせて使いかたを変えることができますね。
南側には7.5帖の洋室もありますから、5人家族でも皆さんで使いやすい部屋割りができるでしょう。
また部屋の配置も、収納と階段を挟んで北と南に独立した感じを持つレイアウトなので、音楽が趣味の方や勉強に集中させてあげたい子どもさんなどを考えて、部屋の与え方もできるでしょう。
収納のポイント
パントリーは3帖の広さ、食料品には十分すぎるので洗面室の収納も兼用したいスペースですね。
玄関スペースは、シューズボックスと土間収納そしてクロゼットのトリプル収納ですから、収納方法を多彩に工夫できる場所でしょう。
2階の4.5帖の部屋には収納がありませんが、家族構成によっては皆さんのファミリークロゼットとしての使いかたも「アリ」でしょう。
縦長な土地の間取りで注意したいポイントのまとめ
縦長な土地に合わせた建物のですから、横幅が狭く縦に長い間取りになります。
そのため土地の方角に合わせた玄関の向きと形、階段の配置が工夫されている間取りは、
2階の個室の広さが確保されて、全体的な収納の数も多くなるようです。
LDKのポイント
LDKは長方形のタイプが多くなるようです。リビングの採光は期待できますが、キッチンスペースや北側に配置される個室は昼間でも照明が必要かもしれません。
また建物全体の横幅も限られてくることから、パントリーやリビング収納も設けられないか、小さいスペースとなってしまうでしょう。
水回りのポイント
水回りが一般サイズより小さくなることは無さそうですが、こちらも限られた横幅の中に配置しなければならないことから、広めの洗面室や専用の収納スペースを設けられることが少なくなるでしょう。
また、キッチンからの出入り口が多くなることや、回遊性を持たせることも難しいかもしれません。
各個室のポイント
建物の形が縦長になるために、1階の居室を南に向けられたとしても、お互いに幅を狭めた2室の部屋になりそうです。
また2階は南側に2部屋、北側には最低1部屋室ができてしまうでしょう。
ただ部屋の配置と広さの確保はしやすいので、6帖以上の部屋がしっかり確保できそうです。
収納のポイント
2階の個室は北と南に分かれて配置されるので、その間にあるスペースを広さのある収納として確保しやすいです。
そのためウォークインタイプや、廊下のストレージルームなども設けやすいでしょう。
そして、1階のシューズクロークや余裕のあるパントリーなどは、特別な間取りでない限り確保することが難しいかもしれません。
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