COLUMN
コラム
建売住宅で値引き交渉をするときの心得|ハウスビルダーの元社員が徹底解説
「建売住宅を買いたいけれど予算が届かない!」
「自分の買いたい物件で値引きしてもらうには?」
「いつだったら値引きしてくれるの?どれくらい?」
住宅の購入を考えたとき、少しでも安く購入したいのが本音です。
特に、新築建売住宅の購入では、「値引き」の成否はとても気になります。
そして、値引きを交渉するタイミングや、成功させるポイントを知りたい方も多いです。
ハウスビルダーの元社員であった私は、いつも販売価格に悩まされました。
たびたび値下げしても売れない物件もあり、大変苦しい思いもしてきました。
大袈裟ではなく、価格のことを考えない日はない時代でした。
そこで、今回は売主であるハウスビルダーの視点から、物件の売れ行きと販売価格について、値引きとの関係性や考え方をまとめました。
このコラムをお読みいただくと、物件の売行きの違いによって、売主の気持ちが変わることが理解できます。
そして、ご自分たちが「欲しい!」と思った物件が、値引き交渉の“タイミング”にあるのかが、わかるようになります。
間違った情報に迷わされず、意中の物件をできるだけお得に購入したい方は、ぜひご覧ください。
ただし、値引きを必ずお約束するものではないことはご理解ください。
目次
建売住宅の『値下げ』と『値引き』
建売住宅の販売価格を下げるときに使われる言葉に、『値下げ』と『値引き』があります。
混同して使われているようですので、まずは整理したいと思います。
『値下げ』は、ハウスビルダーが、売れ行きをよくするために販売価格を変更すること |
『値引き』は、買いたい人からの申し出によって、ハウスビルダーが値段を引くこと |
値下げと値引きの違いを、理解しましょう。
建売住宅の値下げのタイミングに規則性はありません。
物件によって売れ行きには違いがあります。
ハウスビルダーも、そのときによって経営状況などの事情も違うからです。
ただし、1回の値下げ金額の限度や、次の値下げまでの間隔などは決められている場合があります。
そして、パワービルダーなどの大手になるほど、値下げや値引きを禁じるよりも、お客様が欲しいと思ってくれる価格に合わせていきなさいという考えであることも多いです。
建売住宅が値下げされる主な理由
建売住宅で値下げが起こる理由は、パワービルダーのビジネスモデルから見るとわかりやすいです。
パワービルダーは、年間を通して数多くの建売住宅を供給して、収益をあげていきます。
完成した建物の売れ残りが多くなってしまうと、土地や建物にかけた費用が戻ってきません。
すると、新しい土地の購入費や、住宅の建築費にお金をまわすことができなくなります。
お金が動かない状態では、収益があがらないのです。
そのため、売れ残ってしまった物件については、戻ってくるお金を少々犠牲にしてでも販売します。
ひとつの物件の利益よりも、年間を通した会社の利益を見ながら事業を行います。
つまり、一棟で多少の利益を落としても、早く完売することを優先する傾向にあるので、値下げが起こるのです。
値下がりが起こりやすい時期はある?
値下げのタイミングに規則性はないといいましたが、起こりやすい時期はあります。
それには、物件の建築工事の進み具合と、お客様が購入するタイミングが関係しています。
建物の建築中は、完成の状態がわからないので、多くは売れません。
建物が完成すると、お客様の現地見学などの反響がでてきます。
この時期から、売れる物件が出始めてきます。
そのまま、スムーズに売れ続けるときもありますが、反響が止まってしまう場合もあります。
値下がりが起こりやすい時期は、物件の反響が“ない”、または“止まった”ときです。
そのため、ハウスビルダーはお客様の反響をいつも気にしています。
つまり、物件が売れ続けているうちは、値下げすることはありません。
ただし、その時期は物件によっても違います。
希少性のある物件だと、完成前から売れるときがあります。
同じ地域に競合物件が多くなると、反響は減る場合があります。
一般的な値下がりが起こりやすい時期は、建物が完成してから2~3ヶ月以降が最も頻繁になります。
建売住宅が値引き交渉に応じてくれる理由
ハウスビルダーは、これから販売を始める物件について、まわりの成約事例や、競合他社の販売中の価格などを参考にして、売り出し価格を決めます。
ところが、販売を始めたものの反響があまりなく、建物も完成したので値下げする物件が出始めます。
それでもよい感触が得られないと、“いったいいくらなら売れるのか”判断に迷いがでてきます。
「絶対にうれる金額」なんて、だれにもわかりません。
一般的に売買は、“売りたい”と“買いたい”がマッチングして成立します。
“売りたい”人が懸命に販売しても、“買いたい”人が現れなくては、物件が売れません。
そこに「〇〇万円なら買いたい」と申し出があれば、値段を下げ続けていくよりも、値引きを受けたくなるのです。
売主が、値引きを受けたい心境もいろいろです。
物件の全区画が未契約だったとき、最初の1棟目を成約して、“販売に勢いをつけたい”と思います。
また、売れなくて価格に迷いがあるときほど、値引きを受けてでも済マークをつけたいと思うときがあるのです。
値下げ直後の値引き交渉は難しい
売主であるハウスビルダーは、簡単な考えで値段を下げているわけではありません。
周辺の販売事例を改めて調べたり、物件の原価をチェックし直したりして、値下げ価格を検討しています。
また、お客様がよいと感じてくれる金額にしながら、できるだけ利益を得たいとも考えています。
販売価格を下げた直後は、売主も様子を見たいです。
値下げ後の反響に期待感がありますし、購入申し込みが入るかもしれません。
このような値下げしたばかりの時期に、さらに値引き交渉もある購入申し込みは、受けづらいものです。
できれば、値引きなしのお客様に買ってもらいたい気持ちがあるからです。
値下げしてすぐの値引き交渉が、すべて難しいことでもありません。
しかし、売主としては期待感をもって価格を改めたばかりですので、その気持ちを考えることも大切です。
建売住宅の値引き交渉をうまく運ぶための心得
「建売住宅を買うときに値引きを成功させるコツはありますか?」と聞かれたら、
正直に「ありません」とお答えします。
値引きを受けるかどうかを決めるのは売主です。
また売主も、売りたいタイミングなのか、様子見なのか、価格に自信をもっているときなのかで、交渉の余地は大きく変わります。
ただ、売主の希望は、なるべく早く、そして高く売れてほしいことです。
もし気に入った物件が見つかって、値引きが無いと買うのが難しいときは、その物件の状況から、値引き交渉の余地があるのかを推測するしかありません。
お目当ての物件について、売主の気持ちに近い推測ができれば、交渉の余地は広がるかもしれません。
そして、値引き交渉をうまく運ぶためには、いくつかの心得も大切ですので、ご紹介していきます。
値引きに相場はあるのですか?
結論からいいますと、値引きの額に相場はありません。
加えて、物件を仲介する不動産会社には値引きの決定権がありません。
理由としては、まず、交渉を受ける値引きの額が、いつも同じではありません。
つぎに、売主の利益の話しになりますが、販売価格と総事業費の差が簡単にいうと利益になります。
物件によってその差が同じではありません。
そして売主は、交渉額と、物件の利益の幅を見ながら値引くときの額を決めます。
相場ではありませんが、値引きの交渉例で多いパターンをご紹介します。
ひとつが、物件価格の10万円以下を切り捨てる、業界用語でいうところの“端数カット”です。
例えば、3,580万円の販売価格から、80万円を値引きして、3,500万の契約額にします。
ふたつめが、100万円ピッタリの価格交渉です。
金額的にわかりやすいのでしょうか、交渉額に多い例です。
いずれにしても、値引きの決定権は売主にあります。
売主の意向はいつも同じではありませんので、値引きの額に相場はありません。
500万や1,000万の値引きがあるって本当ですか?
売主が500万や1,000万円もの額を値引きすることはあり得ません。
そのような金額を値引きしたら、物件は大赤字になるからです。
ただし、最初の販売価格から比べて、最終的に成約した金額の差が、500万円や1,000万円になることは稀にあります。
販売を始めてから、売れなかったために段階的に価格を下げます。
そして、最後に値引きを受けて、成約に至るパターンです。
今までの値下げと値引きの合計額が、高額になるときがあります。
この場合は、売主も途中から“赤字”を覚悟しています。なにかが原因で売れなかったのです。
価格を上乗せしているわけでも、安い材料をつかっているわけでもありません。
値引きの交渉額で可能性があるのは、10万円以下を切り捨てる端数カットや100万円くらいまでです。
200万円を超えるような値引き額は、とても少ない場合と考えてください。
値引きが期待できる建売住宅の条件は?
値引き交渉を、受けてもらえる可能性のある建売住宅にはパターンがあります。
ただし、絶対ではありません。値引きの可能性を推測するためのパターンです。
まず、分譲地の最後の1棟です。
売主の気持ち的には、全戸完売して新しい物件の販売にとりかかりたいです。
ただし、最終1棟が長期間売れなかったのか、好調な売れ行きのなかの最後なのかに注意が必要です。
つぎに、完成しているのに全戸が未契約となっている物件です。
売主にとっては、1棟も決まらない物件も不安なものです。
販売価格に迷いがでてきますし、最初の1棟が決まることで、売れ筋の価格を知りたい気持ちにもなります。
さいごに、販売途中で売れ行きが止まってしまった物件です。
“需要が無くなってしまったのか”、“競合物件のほうが好まれているのではないか”などと、とても気になってきます。
いずれのパターンも、すでに値下げをしている場合もありますが、値引き交渉の余地を推測しやすい例です。
決算期の前は値引きの狙いどきですか?
「売主の決算前は大幅な値引きが期待できる」と多くの記事で触れています。
たしかに、売上のために値引きをしてでも販売する点では正解です。
しかし、値引き交渉をするタイミングにもよりますし、すべての物件にあてはまることでもありません。
期末に向けたキャンペーンなどの対策は、はやい会社だと、数か月前から始めるケースもあります。
決算に向けた価格改定はそのときから始まっています。
また、決算にむけて売りたい物件の最終値下げは、期末の1か月半前くらいです。
契約してから引渡しの時間も必要なので、その余裕を見る必要もあるからです。
そして、完成している在庫のなかから、決算に入れたい物件を選んでいます。
つまり、売主が価格を下げたばかりや値下げしきった物件、決算には入れたくない物件などの値引き交渉は、うまく運ばない場合があるのです。
不動産会社の担当者と信頼関係をつくること
建売住宅の値引きの決定権は売主にあります。
そして、不動産会社の担当者は、売主に値引き交渉を行う立場です。
そのため、不動産会社の担当者とは、信頼関係をつくることが大切です。
担当者が、真剣に値引き交渉をしてくれるだけではありません。
売主に購入希望者のいることを伝えて、契約ができる方法を探ってもくれます。
物件の値下げ情報なども、いち早く教えてくれるでしょう。
ただし、値引きの交渉力は、不動産会社によって違いはありません。
値引きをお願いする理由が正当であれば、売主は、話しを聞いてくれます。
また売主が、特定の不動産会社や担当者の交渉ばかりを優先することもありません。
そんなことがまわりに知れたら、ほかの不動産会社から信用を失うのは売主です。
値引きの交渉力に惹かれるよりも、お客様のことを真剣に考えてくれる担当者と、信頼関係をつくりましょう。
建売住宅の販売状況の違いで変わる売主の心理状態
会社によりますが、ハウスビルダーの建売住宅に、1年以上売れ残っているものはまずありません。
売主は、多額の費用を投じて物件をつくります。
その費用がいつ手元にもどってくるか、つねに先が読めません。
そのため売主は、いつでもスピーディーに物件が売れることを望んでいます。
物件が売れてくれれば、手元に戻ってくる費用が、それ以上減ることはないからです。
そのため売主は、早く売れるために値下げや値引きを考えます。
価格を検討するときには、お客様の反響もひとつの判断材料とします。
お客様の反響というのは、不動産会社からの問い合わせです。
“物件が売れていないかの確認”、“ポータルサイトなどへの広告掲載の許可”などが多いと、価格が市場に合っていると思えます。
反対に問い合わせが少ないと、売主の心理状況は、不安な方へ傾いていくのです。
販売開始から建物が完成するまで
建売住宅の販売は、建物の着工前から始まります。
そして、販売を始めてから建物が完成するまでのあいだは、値下げをしないことも多いです。
理由としては、住宅の最も売れる時期と関係しています。
住宅の売れる時期は、建物の完成後が約8割ともっとも多いです。
できあがりを見てから買いたいお客様が多いので、それまでは、不動産会社からの問い合わせ状況などを見ています。
そして、今の価格のまま売れる時期を迎えるか、そのまえに価格を1段階下げたほうがよいかを検討しています。
まだ、販売価格には自信をもっている時期です。
ただ、完成するまえに買ってくれるのはありがたいことです。
売主の許容範囲の値引きであれば受けてくれる可能性はあります。
建物が完成したばかりの時期
建物の完成直後は、お客様にはじめて仕上がりを見てもらう機会です。
ほとんどの物件で、最初のオープンハウス(見学会)を計画します。
完売するまでの流れのなかで、物件の感度が最もでるときですから、売主も期待します。
そして、販売価格について、お客様が認めてくれるかを見極めたい時期でもあります。
そのため、オープンハウスを行いながら、2~3週のあいだ様子を見ます。
最初のオープンハウスの結果がでるまでは、小幅な値引き交渉ならまだしも、強めな値引きを受けたい気持ちにはなっていません。
値引きについて、売主がいちばんシビアなのが、完成直後といえるでしょう。
建物が完成してから2~3か月たった頃
建物が完成し、2~3ヶ月がすぎて物件が売れていないと、値引きには柔軟になってきます。
このころから、販売についても攻めの気持ちから、守りの気持ちに変わります。
価格が合っていないのは分かっているけれども、価格を下げすぎて利益を落としたくない、でも販売は早く進めたいという葛藤に苦しみます。
完成直後から続けているオープンハウスの結果も思わしくなく、すでに1回目の値下げは行われている頃でもあります。
このまま売れない状況が続くと、次の値下げをすることになります。
若干大幅な指値交渉があっても、「受けてしまおうか・・・」でも「利益も減るし・・・」と、気持ちが揺れうごく時期です。
建物完成から6か月以上たったときは
完成して6ヶ月もたって売れていないなら、ハウスビルダーは失敗したと感じています。
すでに、数回の値下げも行われているのですが、「〇〇万円くらいなら買いたい」という引き合いも無い状況です。
このころになるとオープンハウスも撤退し、現地からお客様の反響もとれません。
そのため、金額をいくら下げたらよいのか、判断材料が乏しいです。
これ以上時間をかけても、よい結果が出ないことは分かっていて、利益を得たい気持ちよりも、赤字を出したくない気持ちだけになります。
自分たちの欲しい物件で値引きを成功させるポイント
値引きの成功率を高めるとすれば、それは不動産会社の交渉力ではなく、値引きを受けたい根拠や、物件を購入したい本気度を伝えることです。
理由のない値引き交渉を、売主は受け付けてくれません。
それどころか、交渉のしかたを違えると、購入を断られる場合もあり得るのです。
ご家族の大切な財産となる家です。
理由もなく値下げ交渉をしてお得に購入できればよいということでもありません。
これから、長いあいだお付き合いするハウスビルダーです。
お互いに気持ちよく、価格の折り合いをつけて、売買を進めましょう。
値引き交渉のタイミングは、購入申込み時の一点で
値引き交渉で最も避けたいのは、買うことが決まっていないのに、交渉をすることです。
売主は、できるだけ値引きを避けたいです。
そして、買うかわからない交渉には、真剣に向き合ってくれません。
購入する物件が決ったら、“購入申込書”に必要事項を記載して、不動産会社が代理で売主に申し込みます。
その申込書に、購入したい金額を書き入れます。
購入希望者から、口頭ではなく、書面で申し込まれている点が大事なポイントです。
売主にしてみれば、「確実に購入してもらえるならば、多少の損は仕方がない」という気持ちにもなります。
購入を申し込むという行動で、住宅を買う意思がはっきり伝わります。
「購入したいから値引きしてほしい」「値引きしてくれたら確実に買う」という姿勢を見せるのが、条件であると考えましょう。
ローンの事前審査を済ませておくと本気度がもっと伝わる
住宅ローンの事前審査を済ませていると、購入する意思の強さが更に伝わります。
買うことが決まっていないお客様が、購入を書面で申し込むことはありません。
また、物件が決まっていない状態では、住宅ローンの事前審査を出せないことも多いです。
そして、事前審査が済んでいることは、売主にとっても大きな安心材料です。
金融機関も住宅ローン借り入れを承認していることで、支払い能力があることを確認できます。
すぐに売買契約の手続きに進められます。
売主担当者で判断のできない額の値引き交渉でも、上司への許可も求めやすくなります。
そして、売主はできるだけ早く買ってもらいたいですから、安心なお客様とは、すぐに売買契約の手続きを進めたいと思ってくれます。
このようなお客様に対しては、売主も値引き交渉に応じやすくなるでしょう。
値引きをしてもらいたい理由をしっかり伝える
理由のない値引きをお願いしても、売主は受け付けてくれません。
売主としては、できるだけ値引きを避けたいのですから、応じるにしても正当な理由が必要です。
たとえば、「住宅ローンで借りられる額が物件価格にすこし届かない」「事情があって自己資金の一部を購入費用に充てられない」など、購入価格に対して予算が足りないけれど、どうしても“この物件が欲しい”と伝えるのです。
購入希望者の事情がしっかりと伝われば、売主は、値引きについて真剣に考えてくれます。
希望通りの値引き額にはならないかもしれませんが、売主はできるかぎりの提案をしてくれるはずです。
値引きの交渉をお願いするときは、いままでの家探しの経緯なども含めて、しっかり理由を伝えてもらうことが大切です。
値引き交渉がうまくいかない時の対策
値引き交渉は、うまく運ぶときばかりではありません。
あと少し手が伸びなかったばかりに、物件を諦めたくはないものです。
そのようなときは、お互いにメリットのある解決策を考えましょう。
建売住宅には、標準でついていないものがあります。
網戸やカーテンレール、照明器具など新生活に必要なものを、別途で購入しなければなりません。
ほとんどの売主で、オプション商品として提供しています。
そこで、売主にオプションを注文することを条件として、値引きに応じてもらう交渉ができます。
また、値引きのかわりにオプション商品の無料サービスの提案を受けるときもあります。
そして、火災保険や引っ越し業者などを、売主紹介価格でお願いすることで諸費用を節約できることも考えられます。
お互いにメリットのある方法を考えると、値引き以外の部分で費用を抑えることもできるのです。
建売住宅の値引き交渉時のマナー違反や注意点
建売住宅の値引き交渉にも、最低限のマナーはあります。
売買契約は、売主と買主、そして不動産会社が、お互いの信頼関係のうえで進めていくものです。
売買の金額や条件などは、事前に摺合せして取り決めることが一般的です。売買契約の場で摺合せがまとまらなければ、契約を進められないからです。
ですから、基本的に売買契約を取り交わす場で、変更を申し出ることはマナー違反になることを理解していてください。
とくに、売買金額について値引きのはなしを持ち出すことはご法度です。
ここからは、契約前の値引きに関するマナー違反や注意点をご紹介していきます。
値引きに応じてくれたのに買わない
売主が値引きに応じてくれたのに、買わないのはマナー違反です。
値引きに応じる売主にも、社内の手続きなどは必要です。
売買契約の準備を進めていたにも関わらず、「やっぱり買いません」では、売主に迷惑がかかります。
そして、代理で交渉した不動産会社やその担当者も、売主からの信用を落としかねません。
また、売買金額についてお互いが合意したのちは、売主も、その物件の販売を止めてしまいます。
そのあとで契約を断られたら、売主からすれば、お客様を探す機会を失ったことになります。
そして、売主と不動産会社は、契約に向けて連絡を取り合いながら、時間をかけて準備を進めます。
その途中で、契約がなくなってしまったら、費やした時間がすべて無駄におわります。
以上のことから、値引きに応じてもらったあとに契約をしないのは、マナー違反です。
建物の不具合などを理由に値引きを交渉する
値引き交渉の材料として、建物の不具合などを取りあげて交渉することはやめましょう。
交渉を有利にしたくなる気持ちも、理解できなくはありません。
しかし、欠点を指摘されて、いい気分になる人はいません。
新築物件の欠点を交渉材料に持ち出すのは、売主に対して悪い印象を与えるだけでなく、交渉すら失敗におわる可能性が高いです。
なぜなら、指摘された内容が不具合であったならば、当然、売主は直さなくてはなりません。
やるべきことなのに、値引きに応じる理由はありません。
そのときの回答は、「ご指摘の部分を修繕してお引渡ししますので、値引きは受けません」となることがほとんどです。
建物だけでなく、売主の不備を指摘しての値引き交渉はやめましょう。
長期間売れ残っている物件はその理由を把握する
長い期間売れずにいる物件は、値引き交渉がしやすくなる反面、売れない理由を把握する必要があります。
なぜなら、売れない理由のなかに、ご自分たちにとってのデメリットが隠れているかもしれないからです。
売れない理由はさまざまです。そして、必ずしも土地や建物に問題があるわけでもありません。
1区画だけが売れていない場合と、全区画が売れていない場合とでは事情も変わります。
売れない例としては、価格が割高だったとき、立地や周辺環境の問題、土地や建物の形状に難があるとき、たまたま需要がなくなるときもあります。
そのときは、不動産会社にお願いして分析してもらいましょう。
そして問題がないと判断できれば、お得に物件が手に入るかもしれません。
売れない理由と買わない理由が一致しないか、前もって把握することが大切です。
よい条件の買主が現れたら買えなくなることもある
ご自分たちが「買いたい」と思った物件であれば、ほかにも同じ思いの方がいる可能性が高いです。
建売住宅は、より多くの方に好印象を持ってもらうための間取りやデザインに、力を入れているからです。
値引き交渉をしているあいだに、ほかによい条件の買主が現れる可能性があることも知っておきましょう。
売主はできるだけ値引きを避けたい気持ちがあります。
検討中の物件には同じものがありません。検討中ということは、物件はまだ販売中と同じことです。
値引きなしで買う人がいたら、販売はそこで終了してしまいます。
「絶対にこの物件を取られたくない」というくらいの本命がみつかったのなら、値引き交渉よりも、物件を契約する優先権を確保した方がよいかもしれません。
ご家族にとって価値のある建売住宅をお得に買うためのまとめ
建売住宅の販売価格が値下げされる理由と、値下げが起こりやすいタイミングを知ることが大切です。
また、値引きに応じてくれる場合も、売主なりの理由があります。
そして、値下げと値引きの合わせ技は、難しいことも理解しておきましょう。
建売住宅の、値引き交渉をうまく運ぶための心得があります。
値引きの相場や、大幅な値引きなど、誤った情報には注意が必要です。
値引きが期待できる物件や決算前の値引きについても、正しい情報を知ってください。
そして、購入費用を希望額に近づけるには、不動産会社と信頼関係をつくることが大切です。
物件の売行きの違いによって、売主の価格に対する考えがかわります。
とくに、長いあいだ売れない物件であるほど、気持ち的にはマイナスになります。
値引き交渉をうまく運ぶためには、売主の、物件に対する心理状態を推測することも大切です。
値引き交渉は、買うことを決めてから申し出ましょう。
売主が、購入意思の本気度をつよく感じるときほど、真剣に話しを聞いてくれます。
また、理由のない値引き交渉はいけません。
物件は欲しいけれど、販売中の価格では買うことのできない理由を正しく伝えましょう。
売主は、値引きができないときでも、ほかの解決策を提案してくれるときもあります。
値引き交渉にもマナー違反や注意点があります。
値引きに応じてくれたのに買わないことや、不備を指摘しての交渉はやめましょう。
物件が売れない理由と買わない理由が一致しないことも大切です。
そして物件には、ほかに検討しているライバルがいます。
値引き交渉に熱心すぎると、物件を購入できなくなる場合があります。
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「自分の買いたい物件で値引きしてもらうには?」
「いつだったら値引きしてくれるの?どれくらい?」
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予算オーバーの物件でも、「どうしても」欲しい場合は、あきらめずにご相談ください。
お力に添えられるよう、全力で交渉にあたります。
値引きについてのお悩みや疑問にも、ハウスビルダーの元社員だった代表が、わかりやすくお答えしています。
また、諸費用面についても、節約方法などのアドバイスをご提供します。
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