COLUMN
コラム
不動産売却で損をしない税のポイント⑥
~不動産売却で損がでたとき~
【特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例】
個人の方が土地や建物を購入した金額よりも低く売却して損失があったとき、同じ年に他の土地や建物
を売却して収益がでていた場合には、その収益から損失分を控除できます。
これを「損益通算」といいます。
損失が残っても他の所得から控除はできませんが、長期譲渡所得(売約した年の1月1日時点の所有期
間が5年超)の場合で、居住用財産(マイホーム)を譲渡したときに生じた損失については、一定の要
件を満たす場合に、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算をすることができます。
また売却した年で損失が控除しきれないときは、翌年以後3年間にわたり繰り越して控除を受けること
ができます。
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【特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除】
譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるマイホームを、一定の住宅ローンを残したまま譲
渡して、譲渡損失が生じた場合に受けることのできる特例です。
この特例は新たなマイホームを取得しない場合であっても適用することができます。
〇ポイント〇
・損益通算と繰越控除が認められる金額は次のいずれか小さい金額
① 住宅ローン残高 – 譲渡価格
② 譲渡損失
・確定申告が必要
・住宅借入金特別控除(住宅ローン控除)は併用することができる
【特例の適用を受けるための要件】
① 売却した年の1月1日時点の所有期間が5年を超えていること
② 自分が住んでいるマイホームを売却すること
(以前に住んでいたマイホームの場合は、住まなくなった日から3年後の12月31日までに売却する
こと)
③ 建物を取り壊したときは、下記3要件を全て満たすこと
・建物が取り壊した年の1月1日時点の所有期間が5年を超えていること
・建物を取り壊した日から1年以内に売却の契約が締結されていること、かつ、住まなくなった日から3
年後の12月31日までに売却していること
・売却契約を締結した日までその他の用途で使用していないこと
④ 売却契約の前日において10年以上の住宅ローンが残っていること
⑤ 売却したマイホームの譲渡価格が、④の住宅ローン残高を下回っていること
【繰越控除が適用できない場合】
合計所得金額が3,000万円を超える年は適用されません
【損益通算と繰越控除 両方が適用されない場合】
①親子など特別な関係にある人にマイホームを売却したとき
⓶マイホームを売却した年の前々年までに譲渡所得についての特例を受けていたとき
③マイホームを売却した年を除く、過去3年前までに譲渡損失の特例を受けていたとき
◎コラムのまとめ
マイホームを売却して損がでたとしても、この特例の要件を満たしていた場合は、すべてではないにし
ても損失を取り戻すことができます。売却相談などで購入時よりも低い査定金額がでてきてしまったと
きなど、話を進めるべきか思い悩んでしまうことと思いますが、いちどご所有の不動産について特例を
受ける要件を満たしているか確認するのも良いかもしれません。
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国税庁で公開されているチェックシートで、要件を満たしているか確認できます。
特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例チェックシート
国税庁のホームページもご確認下さい。
住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき|国税庁
マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき|国税庁
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