COLUMN
コラム
不動産売却で損をしない税のポイント ①
~固定資産税・都市計画税編~
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不動産を保有している時にかかる税金が固定資産税と都市計画税(都市計画税を課税していない市区町
村もあります)です。 ※以下総称して固都税とよびます
この固都税ですが、売却の条件や時期によって納税負担が多くなってしまう場合があります。建物を取
り壊して売却するときには、取り壊し時期に注意して下さい。
固都税はその年の1月1日現在の所有者に課税されます。納税の通知書は概ねその年のGW過ぎにお手元
に届いていると思います。
その年の始め頃に建物を取り壊したとしても、1月1日には建物があったので、建物の固都税は請求さ
れます。では前の年のうちに取り壊してしまえばよいかというと、翌年の建物の税金はなくなります
が、土地の評価が見直され納税額があがってしまうのです。
不動産の売却にあたっては、より高く買ってもらうことに加えて、支出も抑えなくてはなりません。
このコラムでは固都税額が計算される仕組みと、『建物を取り壊して売却するとき』の納税の無駄をな
くすポイントをご紹介していきますので、ぜひ最後までお読みください。
〇固都税計算の仕組み
〇固定資産税の計算
固定資産税 = 課税標準(固定資産税評価額) × 1.4%
(1.4%は標準税率、市区町村ごとに税率を定めます)
・土地(住宅用地)の課税標準の特例
課税標準×1/6(200㎡以下の部分) / 課税標準×1/3(200㎡を超える部分)
例えば300㎡の土地であれば、200㎡までの部分の税金が1/6、残り100㎡の部分の税金が
1/3になります。
〇都市計画税の計算
固定資産税 = 課税標準(固定資産税評価額) × 0.3%
(0.3%は制限税率、0.3%を限度として市区町村ごとに税率を定めます)
・土地(住宅用地)の課税標準の特例
課税標準×1/3(200㎡以下の部分) / 課税標準×2/3(200㎡を超える部分)
例えば300㎡の土地であれば、200㎡までの部分の税金が1/3、残り100㎡の部分の
税金が2/3になります。
この特例は住宅が建っている土地に対して適用されるものですので、建物を解体して更地にしてしま
うと適用除外となり翌年の建物の固都税は無くなるわけですが、土地の固都税が高くなるのです。
建物の固都税は年を追うごとに評価額が下がり税額も低くなるので、建物の税金がなくなっても土地の
納税額があがることは十分に考えられます。
この仕組みを理解しておくことで、「不動産を売却したのに高い税金がきた」、「前もって建物を取り
壊したので税金が高くなった」ことを防ぐことができます。
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〇納税の無駄をなくすポイント
固都税は、一般的な不動産売買においては、年間税額について物件引渡しの日を境にして日割で精算す
るのが通例です。
その年の納税義務者は1月1日時点の所有者様です。例えばその不動産を売買して10月30日に物件
を引き渡したときは、10月29日を境にして年末まで約2ヶ月分を買主様負担分として清算します。
翌年は買主様が納税義務者となります。
納税を抑えるポイントとしては、建物取り壊しと同じ年に所有権を移転することです。建物を取り壊し
たあとに、翌年の1月1日を迎えないようにするのです。
〇建物の取り壊しと売却を同時に進める
建物取り壊しと売却活動は同時か、買主様が決まってからでも遅くはありません。建物がまだある状態
でも、「更地渡し」の売却条件として売り出します。
この方法ですと、物件引渡しに間に合うように建物を取り壊せばよく、翌年の税金を支払うことがない
のです。
但し、中古住宅として、または建物が無い状態のほうが売りやすいのであれば、税金よりも売却価格を
当然優先させるべきです。
空き家状態が長期間に及ぶと不測の事故も起こり得ます。遠方にあって管理できないなどの諸事情があ
るときなどは更地にしておくのも一つの手段です。
〇年のうち早めの時期に取り壊しを終える
売却する期間に余裕を持ちたいときの方法です。更地の状態が売却しやすいと判断したときは、年初の
早いうちに取り壊しを終えておくほど、年末まで売却期間に余裕を持てます。
前の年のうちに売却することは決定していたり、売却を急がない方などには検討していただきたい方法
です。
買主様が決まるまでの時間は誰にもわかりません。思いに反してなかなか売れないと、値下げをした
り、購入希望者が現れたときに不利な条件を受け入れてしまうなど、別の面で損をしてしまいます。
そのためには売却を始めるときに、引渡しまでのスケジュール感をある程度の範囲で決めておくことが
望ましいです。
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上記ふたつのポイントでは、評価見直し後の土地の固都税が買主様に通知されます。売買時は特例の額
で精算しますので、翌年の税額に驚かれることも考えられます。翌年の土地の税金が上がることは買主
様にお伝え下さい。
同年中に新築住宅が完成すると、その住宅にも特例が適用されますので、両者とも税金の負担が少なく
なります。
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〇新しい年度の納税額で精算する
旧年中に建物を取り壊し、年が明けてから物件を引き渡すときは新年度の納税額で精算する方法があり
ます。税額は上がるでしょうが買主様負担分の精算額を頂戴できますので、互いの不公平感は少ないと
思います。
契約条件で固都税精算は新しい年度の税額で行うと取り決めます。
物件引渡しのときは精算を行わず、新年度の納税通知書が到着したときに、不動産会社担当に間に入っ
てもらい送金等のやりとりをします。
通常の売買よりひと手間増えますが、「税金が高くなったからその分も精算してほしい」とあとから申
し入れするのも心苦しいですし、かと言って翌年の税金を自分だけが負担するのも「物件は引き渡した
のになぜ?」と感じてしまいます。
◎まとめ
年間の固都税額は一般住宅地で概ね数万~十数万の税額ではないかと思います。ですが土地の評価が高
い場所ほど更に税額は高くなりますし、そのぶん物件の引渡しが年を超えただけで大きな負担となりま
す。
売却できる価格がもっとも優先されるのは承知のうえですが、少し気を配ることで無駄な出費を抑える
ことのできることにも目を向けていきたいと思います。
もし不動産を売却するにあたり建物の取り壊しを行う必要が生じたときなどは、出費を抑える方法とし
て、本コラムのポイントをお役立ていただければ幸いです。
以上、不動産売却で損をしない税のポイント ~固定資産税・都市計画税編~ でした。
