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COLUMN

2023.03.03
売却の基礎

【境界標がないと困ることが多い】境界標の探しかた・管理方法を解説

ご所有不動産の境界標を見たことはございますか?

日常生活の中で境界標を気にすることは殆どないと思いますが、ご自分の土地の範囲を示すものですの

で定期的な管理は必要です。

ご所有の土地を取得してから時間が経過すると、周辺環境も当時とはずいぶん変わっているのではない

でしょうか。

土地につくった境界塀なども年季が入ってきますし、自分の敷地内やお隣さん、前面の道路で工事が行

われたこともあると思います。土地の前の道路もどれだけ車が通行したことでしょう。宮城県ではこの

20年ほどで度々大きな地震にみまわれています。

土地を取得した当時は境界標が見えていたとしても、工事のときや車のタイヤに踏まれて、ブロック塀

が老朽化や地震により少し傾いてしまうなど、境界標は色々な事情によって見えなくなることや動いて

しまうこと、場合によってはなくなってしまうこともあるのです。

自分の土地は自分で管理することが原則ですが、境界を示すものが無いとなるとどこからどこまでが自

分のものかはっきりしなくなってしまい、管理するどころか、土地を自由に使うこともできません。場

合によっては境界をめぐるトラブルの原因ともなりかねません。

境界標の管理も所有者さん自らが行わなければならないのです。

境界標の管理をする前に、まず土地の境界を示す標識があるかどうか、それが簡単には動かないように

なっているか確認してみてください。

【境界標を探すための準備】

所有土地を購入して取得した場合

購入当時の保管された書類の中に、測量図や土地に関する図面などがあると境界標を探す資料になりま

す。建物の図面ですと配置図に敷地の形状や、隣地の状況なども図示している場合があると、境界標の

ある場所の目星がつけやすくなります。

贈与や相続で取得した場合

前所有者の方がお持ちだった関係書類も引き継いでいるのであれば、図面などを探してみてください。

ただし作成された年代の古い図面ほど記載内容が簡素になりますので、参考になりづらいかもしれませ

ん。代々引き継がれてきた土地などですと、図面自体も存在しない可能性があります。

【法務局で測量図を取得する】

お手元にある書類の中に参考となる図面などがないときは、法務局に備え付けてある「地積測量図」を

取得してみましょう。

地積測量図には境界線の距離が記載されています。また、平成5年10月以降に作成された地積測量図

には境界標の種類も記載されています。

※測量図サンプル|盛岡地方法務局より

ただし全ての土地に地積測量図が存在するわけではありませんので、その点はご留意ください。

【境界標の探しかた】

境界標にはコンクリート杭、石杭、プラスチック杭、金属などの種類があります。

杭の上部の形も十字、矢印、T字などの形があります。

基本的には十字であれば十字の中心、矢印であれば矢印の先端、T字の場合はTが交わる点が境界点で

す。

境界標は土や落ち葉で埋もれてしまっていることもあります。見つからない場合には、目安をつけた場

所の付近をスコップで掘り返すことによって見つかることもあります。

強い力や大きく掘りすぎてしまうと境界標が動いてしまう、抜けてしまう可能性があるので注意です。

掘るというよりも表面の土を少しづつ削り取っていくイメージです。

注意

境界標が発見できたときに、既にグラついていたりはずれてしまっていた場合は、作業を止めて下さ

い。お隣さんにもお伝えしたうえで土地家屋調査士などの専門家に修復を依頼しましょう。

境界塀などが既に設置されている場合

ブロック塀など築造物がすでに築造されているとその端部や隅の部分を探す目安がつけられます。民地

同士の境界標はその種類によって中心に入れるもの、いずれかの敷地内に入れるものの両方があるの

で、まず自分とお隣さんのどちらかに入っているか目視で確認します。目視で見えなければその下(塀

の中心)に埋まっている可能性があるので、スコップなどで掘ってみます。

塀の側面や上部にあるときもある

すでに塀が設置されていたあとに境界標が設置されることもあります。地中に設置することが難しいの

で塀の側面や上部に金属製のプレートなどが取り付けられます。

塀などの築造物は隣地への越境を防ぐために、境界線に沿って1センチメートル程度下がってつくるこ

とが一般的です。金属製の境界プレートなどが若干はみ出た形で張り付けられているのはそのためで

す。

足元付近を探しても境界標とおぼしきものが見つからないときは築造物の側面や上部を確認します。身

長より高い築造物の上部を確認するときは、十分ご注意ください。

お隣さんの土地とに高低差があるとき

お隣さんの土地と高低差があるときは、高い方の土地に土留擁壁などが設置するのが一般的ですので、

擁壁下部の地表面を探してください。

間知擁壁のときは見えない地中にも斜めに入り込んでいますので、地表から見える部分より少し離れた

場所を確認するとよいです。

宅地造成などの兼ね合いから、稀に低い側の土地に擁壁が築造されていることがあります。擁壁下部の

隅や端部いずれにも確認できないときは、境界標が無いか、擁壁の上部が境界線の可能性があります。

高低差が大きいときはできる範囲で擁壁上部も確認してみてください。

コンクリート擁壁

間知擁壁

道路と民地の境界

この境界標については金属製プレートが走路側に入っていると発見しやすいです。民地側ですとコンク

リート杭などが埋設されているので、付近の土を軽く手掘りしてみて下さい。側溝も境界線より道路の

内側に若干下がった位置に敷設されていますので、気持ち離れた場所から探ってみて下さい。

塀などの真下にありそうなときは園芸用の小さいスコップがあると便利です。使わない割りばしで代用

もできます。コンクリート杭の上部矢印は割りばしで優しく土を取り除くとよいです。

道路に取り付けられている境界標は道路と民地の境を示しているだけのときがあり、お隣さんとの境

界ではない場合があります。

【境界標の管理方法】

土中に設置されている境界標

年数がたつと土や落ち葉で埋まってしまい場所が判らなくなってしまう可能性があります。境界標付近

の邪魔にならない場所に目印の棒などを立てておくと、探しなおしせずに済むのでよいと思います。

築造物に取り付けられている境界標

築造物に取り付けられている境界標はおおかた金属製プレートであると思います。このプレートを接着

剤で取り付けたものは、はがれやすくもあります。

築造物がご所有のものでしたら、境界標の取り付けられている位置に沿って、または矢印などの位置に

合わせて支障の無い程度で目印をつけておくと、剥がれた場合でも付いていた位置を見失うことがあり

ません。

写真で残しておく

境界標が発見できたものについては、写真データで保存しておきましょう。撮影する際は、塀や側溝な

ど容易に動くことのない築造物も写し込むと位置がわかりやすくなります。

メジャーをお持ちでしたら、塀の角や側溝のつなぎ目などと境界標のあいだにメジャーをあてて撮影す

ると、その部分の寸法も同時に記録できます。できるだけ2方向の目印から写真で記録しておくと、の

ちにおいても位置確認が容易にできます。

【境界標が発見できず土地の測量図もないとき】

建物の建て替えや塀などの新設をお考えで境界標が発見できないときは、ご自身の判断で工事を進めて

しまうのは危険です。後日お隣さんとのトラブルにもなりかねません。

土地を売却することが確定しているときなども含め、容易に撤去の出来ない築造物の工事を行う際は、

土地家屋調査士などの専門家に依頼するのが得策です。

境界標管理のための地積測量図の取得を含めた現地調査は当社にお任せいただくことができます。

【コラムあとがき】

境界標が発見できたからといって,それでおしまいではありません。ときどき自分の目で確認するなど

管理にも心配りが必要です。土地の権利は財産権のなかでも特に重要な権利です。常日ごろから境界標

を自ら管理してご隣近様とのトラブルが起きないように心がけましょう。

土地家屋調査士会のパンフレットに「杭を残して悔いを残さず」というフレーズがあります。ちょっと

したことが後にトラブルを招いてしまうことを戒める言葉だと思います。

境界標は身近にあるものの、普段はあまり気に留めることのない遠い存在になりがちですが、土地とと

もに境界標も引き継がれていくものです。

このコラムをお読みいただいたことをよい機会として、境界標にも目を向けていただければと思いま

す。